ジンバブエ 100兆ドル紙幣
こんちは、ぎんぱつです。
バックパッカーで旅行していると、通貨が暴落している国に行くことがあります。
というか、わざわざそこを目指して行きます。アメリカドルを持っている旅行者には天国になるから。
今回は通貨の暴落の話です。
本記事の内容
- 通貨が暴落すると何が起きるのか?
- 暴落で豪遊
- 自国通貨を持てない国
本記事を読まれるあなたへ
この記事は、過去に私が体験した通貨暴落中に訪れた国の話です。
昔の話にはなるのですが、トルコやジンバブエは今もあまり変わらないですね。
預金を下ろしたのに残高が増える?
通貨が暴落した国へ行け!
バックパッカーがたまにこいうことを言います。これは通貨暴落中の国にアメリカドルを現金で持っていくと何かと得をしたからです。
極端な円高や円安は、物価にも影響しますが、日本にいるだけだと特に意識することは少ないでしょう。
FXでもしていれば一喜一憂するのでしょうが、外貨に両替でもしないかぎりあまり日常生活には関係がない。でも長期で旅行していると旅行者にさえ影響を与える通貨が暴落している国に滞在することもありました。
インドネシアのリラ
インドネシア旅行中に現地通貨のリラが暴落しました。ここでいう暴落、急落はリラが極端に弱くなったことを指します。
日本円とアメリカドルのレートで例えると、
昨日 1ドル = 100円
今日 1ドル = 300円
みたいなことです。昨日とくらべると円の価値が3倍弱くなった・・・海外からの旅行者はウキウキですね。単純に日本の物価が昨日と同じだったら旅行者は3倍得をしますから。程度の差はあれ、インドネシアで同様のことが起きました。
当時、まだ日本にあったCITIバンクのカードで現地通貨を引き下ろしていました。
仕組みは、日本円→アメリカドル→インドネシアリラ、という風に間にアメリカドルを挟んで現地通貨を手にしていたのです。
レートや手数料はまあまあ悪かったのですが、現地のATMで現金が手に入るので多くのバックパッカーが利用していました。そして利用するATMによって残高表示がまちまちでした。
A銀行のATM・・・アメリカドル表示
B銀行のATM・・・リラ表示
C銀行のATM・・・円表示
リラ表示のATMで異変が起こりました。現金を下ろしたにもかかわらず、昨日と比べて残高が増えているのです。
急激に弱くなったリラに対してドルが強くなりリラの残高上は増えたように見えたのです。当然アメリカドル表示だと減っています。不思議なことがあるんだな、と同時に少し怖くなりました。
ホテルのブッフェが5ドルになる
インフレで有名なジンバブエの話です。記事冒頭の写真もジンバブエの紙幣です。政策がむちゃくちゃで、最近もインフレが続くジンバブエ。2001年もそんな中でした。
当時、アメリカドルを持っているならジンバブエへ行け、がバックパッカーの合言葉。それもそのはずアメリカドルで豪遊できたからです。
政策の失敗を認めないジンバブエ政府は、法定通貨のジンバブエドル以外の流通を認めていません。でも庶民レベルではそんなことは言ってられないので、闇両替が横行。
国が定める法定レートよりもはるかにお得な闇両替を旅行者も利用していました。闇両替のレートが実質的なレートだったんです。
表向きに支払いはジンバブエドルしか受け付けません。その間にもジンバブエドルの価値はどんどん急落。旅行者は日々強くなるアメリカドルをその都度交換して使用すればかなり割安で購入できるのです。しかも大きな企業ほど法定レートに縛られました。
当時のジンバブエにあった外資系高級ホテルもそうでした。危ないとは気づいていても、法定レートの手前、容易に価格が変更できず、ホテルが受け取るジンバブエドルの価値は下がり続け、ブッフェが実質は5ドルで食べれて、宿泊が20ドルという異常事態になったのです。
仮に日本で明日、1ドル = 300円になっても、観光客以外の日本人にしたらそのヤバさをすぐには実感しないでしょう。しかも政府は1ドル = 100円としか認めていないので、変わらず牛丼は380円で食べれるのです。実際の価値は1140円になっていても。
でもバックパッカーとしては、天国!普段は絶対に利用しないホテルで飯食って酒飲んで宿泊してとまあ楽しかったんです。ただ、治安は急激に悪化。政府もようやく重い腰をあげて対策をはじめ、夢の時間は終わったのでした。
後にジンバブエは、法定通貨をアメリカドルにしたのですが、また新しい通貨を発行したり、またアメリカドルにしたりと現在に至るまで右往左往しています。
自国通貨を持てないということ
自国通貨が持てない、もしくは機能していないともう国としての経済が成り立ちません。
仮に日本の法定通貨がアメリカドルだったら、もうアメリカ様のやりたい放題です。
だって国家の血液と言われる通貨が発行できないということは、外国からの輸血で生きていくことです。それがどんなに危ういことか。
まとめ:実は日本も危ない
日本円の対アメリカドルのレートはここ数年、100円~110円前後です。極端な円高、円安は最近はないです。でも日本円の強さは年々弱くなっています。
インバウンドの観光客が、日本では飲食が安いとよく言っています。そうだと思います。先進国の中でいまだ500円でランチや弁当が買える国は日本くらいです。しかもクオリティーは一定の水準をキープ。
先日、一時帰国したアメリカ在住の友人と少しお高い回らない寿司屋にいったのですが、一人5000円ほど。友人曰く、「この質と量だとアメリカでは150ドル以上はする」と。同感です。アメリカでそれなりの寿司は少し高級な部類ですが、日本が安すぎるのです。
これってどういうことかというと、去年の1万円と今年の1万円では買える物の量が確実に減っているのです。これはすなわち日本円が弱くなっているということです。
日本にいるだけではなかなか実感できないですが、海外での物価と給与の上昇具合と比べてみると日本はここ20年近くはあまり変わっていないです。
日本がジンバブエのようになる・・・まったくないとは言い切れない。
読んでいただき、ありがとうございました。